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無茶々ブログ
新・てんぽ印

2018/07/24 (Tue)

この夏、ファーマーズユニオン天歩塾とファーマーズユニオン北条がひとつになり、『有限会社てんぽ印(てんぽじるし)』と装いを変えてスタートします。何のことだかわかりにくいと思いますが、新規就農者の受け入れ母体であり、直営農場でもあったグループが名実ともに一つになるわけです。

 

もともとのスタートは農事組合法人無茶々園のなかに位置付けたファーマーズユニオン天歩塾。1999年より、全国から新規就農希望者を募り、明浜の研修センターを拠点に農業研修を行うとともに愛南町の広大な甘夏園を作り始めました。2002年からは県都松山に近い北条市(現松山市)にて野菜畑や柑橘園を取得。この際に立ち上げたのが有限会社ファーマーズユニオン北条です。それ以来、県内数か所に園地を擁しながら、新規就農者を中心としたメンバーが組織をまたがって農場運営を行ってきたのです。

 

何しろ新しい取り組みでしたので、どうやって複数の農場を運営していくのかは、理想と現実のせめぎあい。試行錯誤と局面的な打開の連続でありました。幸いにも村上尚樹リーダー(石川県出身)を中心にメンバーもまとまり、近年は実際の農作業と経営は若い新規就農者だけで安定感を持って進められるようになっておりました。そしていま、『てんぽ印』としての新たなスタートを切ることになります。

 

てんぽ印のメンバーのひとり、金澤くん。奈良県出身。

一昨年就農したばかりの有望な若手メンバーです!

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6月。北条の風早(かざはや)農場では無農薬栽培のタマネギが収穫を迎えていました。手作業でタマネギを引き抜き、乾燥調整のためにひと玉ずつ茎と根を切り離しています。普段は各地の畑に分散しているスタッフがこの日は一同に揃い、お日様の下で次々と作業を進めていきます。てんぽ印では、みな新規就農者である日本人のスタッフとフィリピンとベトナムから来た技能実習生とが一緒に作物を育てています。フィリピンの実習生は音楽をかけながら、ベトナムの実習生は黙々と、ときに日本人も交ざって会話を弾ませながらタマネギにハサミを入れていきます。みんな手慣れたものです。

 

この風早農場で作っているのはタマネギをはじめとした野菜です。ジャガイモやニンジンなどそのままの形で出荷していくものもありますが、もうひとつ力を入れているのは切り干し大根をはじめとした「かんそう野菜」用の栽培。有機栽培で作った野菜を乾燥させて常備菜に加工する取り組みです。夏にはトマト、ゴボウ、カボチャ、ニンニク、唐辛子などを育て、スライスや細切り、乾燥工程と小分けを経て製品となっていきます。育てるところから袋詰めまで、あらゆるところに手がかかりますが、作った野菜を余すところなく利用できる加工事業もてんぽ印の大事な仕事になっています。

 

海外研修生とともに。楽しみながらやっています。

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北条には野菜畑のほかにもてんぽ印の果樹園が点在しています。春にそれぞれ花を咲かせ、いまちょうど果実がぐんぐん大きくなる時期です。こちらで育てているのは伊予柑が中心ですが、北条は愛媛でも瀬戸内海側にあり、宇和海・太平洋側にある明浜とは土壌の特徴が違います。根の張り方の違いが枝ぶりにも現れるのでしょうか、伊予柑の樹もコンパクトにまとまり、明浜とはまた違う佇まいを見せるのが面白いところです。いま北条の伊予柑も老木から若木への切り替えを進め、果実を収穫しながらも樹を大きく育てていくデリケートな時期に入っています。

 

果樹園でもう一つ特徴的なのが、ここではユズやキウイを一緒に育てていること。特に落葉果樹であるキウイは柑橘とは何かと違いが多く、単調になりがちな農作業に刺激を与えてくれます。年中青々としてとりとめのない柑橘に比べて生育の動きがはっきりしており、剪定や受粉といった農作業もビシッと決まれば気持ちが良いものです。キウイはこれまで生産量が少なく裏メニューのようなものでしたが、今年は新しい棚をこしらえて苗木を植え付け、いずれはドライキウイにも、と展望を描いています。

 

野菜だけでなく、伊予柑・ユズ・キウイといった果樹も栽培しています。

写真はユズを収穫中のスタッフ広沢。珍しい地元出身者です。

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てんぽ印の名前は「、」と「。」を組み合わせてシンボルとしたかんそう野菜シリーズのパッケージデザインから取りました。この会報誌も「天歩」であり、取り組みの端緒が「天歩塾」であるなど、無茶々園では気に入ってよく使っている言葉ですが、もともとは明浜で、向こう見ずな、無鉄砲な、を意味する方言「てんぽな」から来ています。

 

「、」と「。」を組み合わせたシンボル。

”てんぽ”の言葉通り、常にチャレンジ精神を忘れないでいたいものです。

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家族の継承ではなく、暗黙知もない若者が取り仕切る農場運営。県内に広がる気候も風土も異なる園地での栽培。フレッシュな野菜や果樹から保存性のある加工品まで多岐にわたる品目。これを一つの組織でやっていこうとするてんぽなてんぽ印。それでも、これまで積み重ねてきた経験は無駄ではなく、長年の土つくりで風早農場も肥沃になり、野菜は気候を読んで作業のタイミングさえ間違えなければ確実に作れるようになっています。今年も2名の新人を加え、15人以上のスタッフを抱える農業経営になってきました。有機農業に取り組む農家集団である無茶々園のなかでも、てんぽ印は一生産ユニットとしては最大の生産力があります。よそ者、若者、バカ者が地域に新しい風を吹かせる。村上リーダーが常々口にするこの言葉の通り、さらなる飛躍を期待したい新・てんぽ印です。

 

▼そんなてんぽ印が栽培した夏野菜の購入はこちらから。

ジャガイモ

http://muchachaen.shop-pro.jp/?pid=91588152

 

タマネギ

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ニンジン

http://muchachaen.shop-pro.jp/?pid=91588188

 

農業の未来を支える若者たちを応援してください!