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謹賀新年 今年もどうぞよろしくお願いいたします

2019.01.04

おかげさまで、今年で無茶々園は44年目の春を迎えることができました。

これも皆様方のおかげです。ありがとうございます。

さて、世界は北朝鮮の核の脅威が一時休止したかと思えば、

米中の貿易戦争から軍事・IT・宇宙の覇権争いが高まり、

「アメリカファースト」が今や世界に伝染しつつあります。

また日本においても、いざなぎ景気が戦後最長と言われていますが

大企業は利益を上げながらも株主や内部留保を優先し、

相変わらず労働者には恩恵が回ってこず、格差は大きくなるばかりです。

いったい「なぜ働くのか?」「幸せとは?」「誰のためなのか?」

もう一度立ち止まって本当の価値観を考えてみる必要があるのではないでしょうか。

 

先日、元沖縄大学学長の加藤彰彦先生のお話を聞く機会がありました。

感動の涙が3回ほどでるお話でした。

小学校の教師時代に「逆上がりの授業」があったができない生徒がいた。

放課後、その生徒に同級生が自主的に教えた。

できないだろうと思っていた生徒ができるようになった。

生徒の手をみたら豆だらけ、この生徒に通知表の「1」はつけられないと

校長にみんなオール3にしていいいかと訴えたが叶わなかったので先生を辞めたそうです。

また、北海道に人生修行に出られた際には、

どうしても人になつかず縄でつながれている馬がいた。

かわいそうだからと縄を解いて自由にしたところ、

その馬が仲間と認めてくれて乗れるようになったとのエピソードも伺いました。

動物も人間も同じなんだ。認め信頼し合 わなければうまくいかないのだ。

そして加藤先生は「共に生きる仲間がいることが本当に自立していることだ」と言われました。

 

無茶々園の目指す「自立した地域」とは、「共に生きる住民が沢山いる」ことであり、

無茶々園の取り組んできた地域づくりが間違っていないことを確信できた話でもありました。

改めて自らの生き方、働き方に対して考えさせられるものでした。

人間の多様性を認め、個性を生かす時代なのかもしれません。

 

いろんな人がいていい。多様性のある地域を目指そう。

 

 

2018 年を振り返って

無茶々の里は昨年もいろいろありました。

7月の豪雨災害は甚大な被害をもたらしました。

床上浸水7戸、床下浸水12戸、車廃車14台、園地被災198か所(約3ha)、

モノレール被害81か所(動力28台、レール1,440m)などでした。

 

幸いにも激甚災害指定を受けたことで、

農業被害には9割補助が認められ復旧は6割程度進んでいます。

そして、消費者の皆様はじめお世話になった方々から、

多大な支援と励ましのお言葉を頂きました。

支援金につきましては、生活インフラ支援、園地被害の復旧補填などに使わせて頂きます。

本当に産直をやっていてよかった、消費者のみなさんや

取引先のみなさんとつながっていてよかったと実感させられました。

本当にありがとうございました。

 

 

先の加藤先生の話の中にもあったのですが、

災害を経験したことによって出会いや気づきがあり、

心を揺さぶられる衝動がありました(涙が止まりません)。

一方、本業の柑橘生産では、温州みかんは豊作年でありましたが、

7月の豪雨災害、秋の高温による浮皮果による精品率の低下で平年作でした。

伊予柑、ポンカンなどは不作年にあたり、

今年もまた農業の難しさと技術の未熟さを痛感させられた年でもありました。

福祉事業では、4月1日から学童保育オレンジクラブを西予市から委託され、

いよいよ子育て分野への挑戦が始まりました。

12月には、リハビリ特化型のデイサービス施設「こはるの里」がオープンし、

訪問介護サービス、介護タクシー事業も同時に始まり、

地域の必要とされる困りごとを事業化する取り組みが進み始めています。

 

2019 年の取り組み

10年前に創業者の片山元治がベトナムへ渡り、

種まき運動をしてきた取り組みがやっと芽を出し始めました。

日本で実習して帰った実習生たちが野菜を作り、

ホーチミンのイオンや高島屋の店舗に安心安全の野菜を販売しています。

コショウの生産も低農薬ではありますが帰国実習生が始めています。

2019年3月には無茶々園でも販売を開始したいと考えています。

いよいよ無茶々園版国際産直の始まりです。

 

ベトナム産のコショウ。今年の目玉となるか。

 

2019年は、30年続いた平成時代は閉じられ、新しい時代が始まる年となります。

無茶々園の活動が問われる年になるだろうとも思います。

従来より掲げてきた「F(食料)E(エネルギー)C(福祉) W(雇用)に、

H(住環境)の自給できるまちづくりを推進したいと考えています。

特に「誰のための無茶々園なのか?無茶々園で よかったのか?」を組合員に問い、

話し合い、人の多様性を認め合い、

誰もが生きがいの持てる「日本一、世界一」の無茶々の里を創造したい。

そう思っているところです。

 

よく事業と運動は 経営の両輪であると言われます。

事業が先か、運動が先か、お金が儲かって人がついてくるのか、

運動や理念があって人や事業がついてくるのか。

よく友人と議論します。

私は今の時代だからこそ理念(こういう世の中、こうなりたい)に人が共感し、

達成するために事業をしっかりやらなければいけない。

そして、多くの人たちが共感する。

そんな事業と運動の関係性であるべきではないかと思っています。

 

多くの方たち(都市生活者や世界の人々も)と「共感」し、

つながることで少しずつ世の中が変わっていく、

地味ではありますが、一人一人が「考える日本人」になれば

必ず良い方向に向くのではないでしょうか!

加藤彰彦先生は「今いるところが世界の中心であり、

だからこそ住んでいるまちに暮らしの種をまこう」と言われました。

無茶々 園でも5年連続で「これからの10年、20年後の未来の子どもたちのために、

小さな多くの種まきをしよう、日本一の町づくり集団 を目指そう」と宣言しました。

我々の出番なのだと。

どうか皆様もこの田舎再生運動に参画して頂き、活力ある日本にしましょう。 

 

株式会社地域法人無茶々園

代表 大津清次

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