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出荷場から考えること

2019.06.27

消費者の利便性向上に応える為、各社が展開していた時間指定や再配達対応サービスの実施継続が困難になり、各運送会社が徐々に指定サービスを縮小し始めてから3年は経ったのではないでしょうか。各運送会社が一方的な要望に応えるのでなく、双方にメリットを見出せそうな仕組みを工夫したり、第三者が新たなサービスを用意し運送会社との業務提携が起きている時勢を、明浜に集荷に来る運送ドライバーさんとも話題にしたりします。大抵は、画面越しに見聞きする都心部向けサービスの物量や対応スピードに驚くだけなのだけですが、そんな話をしていると物流環境が変化する中で、自分たちの仕事の価値を考えることがあります。

 

この辺りでは、一日に何便も運送便は来ることができないので我々はもちろん、近隣の農家も、各運送会社の集荷時間にあわせて荷物を用意してきます。運送便のドライバーさんも長い人になれば20年近く同じ担当者の方もおり、朝早くから荷物の用意ができている人や、そうでない人など癖を知っています。その癖に合わせて、よその集荷を済ませて、出荷時間に余裕を作ってくれる機転など熟練ドライバーさんへの感謝は日々絶えません。現場で起きるちょっとしたアクシデントを、でき得る限り協力して解決しようとしてくれる関係性は、きっと長い付き合いで培ったものなのでしょう。

 

20年近く無茶々園の柑橘を運んでくれるドライバーさんと岩﨑。

 

AIの進化で自動化できるものが増え、運転や配送、出荷に関わる仕事がどこまで減らすことができるのでしょうか。自動化も、需要と供給があれば次々と開発が進むだろうから、自動化できる時期に差はあれど、世の中の仕事に自動化出来ない物が無いと思えるくらいに減らせるのではないのだろうか、と個人的には思っています。車がすれ違うのも困難な、細い田舎道を上手に運転してくれるトラックのドライバーさんも、その年ごとの特徴を考慮した選別をする選果担当者も、暑さや寒さに向き合いながら行う果樹の世話や収穫も、いずれ自動化できる日は来ます。しかし、いくら自動化ができたとしても、そうなってほしくない仕事もあるのではな いでしょうか。言い換えれば、人の手でやってほしい仕事、です。

 

無茶々園の柑橘を長く注文されている方なら一度や二度は届いたことがあるのではないでしょうか。箱の中に、注文した覚えの無いオマケが入っている箱。生産者の気まぐれなので、頻度も内容も把握できないが、こんなオマケも自動化でなく、人の手で行う仕事ならではと楽しんで頂ければと思っています。

 

事務局 出荷業務担当:岩﨑年浩

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