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せとかを作りこなすこと

2020.03.20

3月頃に食べごろを迎える「せとか」は、皮が薄く果肉は柔らかくてジューシー、糖度も高く、とても贅沢な食味を誇る柑橘です。いま消費者から求められている柑橘の特徴をしっかり押さえた品種と言えるでしょう。しかしながら栽培するにあたっては難しい点が多くて生産者泣かせ。せとかを上手に作っていくのは大変です。まして、化学肥料を使わず、農薬は最低限しか使用しない無茶々園の栽培ではなお繊細な管理が求められます。

 

 

まず一つの特徴は樹体のエネルギー・光合成産物を果実に溜める力が強いこと(シンク力と言うそうです)。それだけ上手くいけば良い果実ができますが、反面枝葉が弱りやすく樹の勢いを維持していくのが難しいのです。また黒点病が着きやすいのも大きな難点。果実の外観を悪くすることが最大のマイナスポイントですが、無茶々園では黒点に関してはかなりの部分で許容しています。それでも、枝葉にもびっしり広がって樹がさらに弱ったり、果実も蒸散量が増えて皮がしなびやすくなるなどの影響があります。

 

こんなせとかを何とか作りこなそうと、生産部では専門のチームを設けて栽培指針の作成を行いました。植えてはみたけれども栽培を断念した生産者も多いなか、明浜の超ベテラン農家である宇都宮利治さんだけは毎年しっかりとせとかを作り、さらに栽培面積を増やしています。この利治さんの栽培方法を参考にしながら、剪定から収穫、その後の管理までのポイントをまとめました。黒点に関しては樹体維持のためにも最低限度の農薬使用はやむなし、との結論に至りましたが、まずは剪定や摘果などの基本的な管理を的確に行いながらしっかり作り切ることが大事です。

 

せとか作りの名人、宇都宮利治さん。齢80をすぎてまだまだ現役です!

 

せとかをはじめとして味の良さを特徴として打ち出している最近の新品種はどれも栽培が難しいものばかり。無茶々園としては病害虫に強い品種を選択するのが本筋です。それでもピカピカの新品種にチャレンジしたいのも農家の性であり、世に出回るにつれてお客さんから求められることもあります。せとかもどこかで見切りをつける時が来るのかもしれませんが、しばらくは無茶々園なりの工夫で作り続けていきたいと思っています。

 

さて、せとかの難しさの一つに、樹上で冬越しをするために冬の天気の影響を受けやすいこともあります。積雪や低温によって最後の最後に果実がダメになることもしばしば。この点、今年の異常なほどの暖冬はせとかの冬越しには好条件で、今のところ順調な収穫を迎えられる見通しです。最後は皆さんに食べて喜んでもらえれば、栽培の苦労も報われるものです。

 

 

利治さんによるせとか剪定講義の様子も動画にしております。農家向けの結構専門的な内容ですが、よかったらご覧ください。みかん作りの雰囲気を感じられるかもしれません。

 

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