お知らせ

生活クラブ千葉の2団体と包括連携協定を結びました

2026.08.11

 

2026年6月20日、地域協同組合無茶々園は、千葉県の「社会福祉法人生活クラブ(生活クラブ風の村)」、「生活クラブ生活協同組合(千葉)(生活クラブ虹の街)」と三者包括連携協定を締結しました。

農業を基盤に地域づくりに取り組む無茶々園。福祉の現場から地域を支える生活クラブ風の村。そして、食や暮らしを通じて生産者と消費者をつなぐ生活クラブ虹の街。

それぞれ活動する分野や地域は異なりますが、共通しているのは、「地域で暮らす人たちが、安心して生活を続けられる社会をつくりたい」という思いです。今回の協定をきっかけに、それぞれが持つ経験や人材、地域とのつながりを持ち寄り、農業・福祉・生協という分野の枠を越えた取り組みを進めていきます。

 

3つの組織は、それぞれ何をしているのでしょうか

まず、今回協定を結んだ3つの組織について、あらためてご紹介します。

 

社会福祉法人生活クラブ「生活クラブ風の村」

https://kazenomura.jp/

 

生活クラブ風の村は、千葉県内で高齢者福祉、障がい児者支援、児童福祉、保育、相談支援など、幅広い福祉事業を行う社会福祉法人です。特徴的なのは、福祉を単に「支援する人」と「支援される人」という関係だけで捉えていないことです。

年齢や障がいの有無にかかわらず、一人ひとりが地域の一員として役割を持ち、その人らしく暮らせる地域をつくる。そのために、施設の中だけで支援を完結させるのではなく、地域そのものをより暮らしやすくしていく視点から福祉に取り組んでいます。

 

 

生活クラブ生活協同組合(千葉)「生活クラブ虹の街」

https://chiba.seikatsuclub.coop/

 

生活クラブ虹の街は、千葉県内を中心に活動する生活協同組合です。国産原料や食品添加物の使用低減、農薬の削減などに配慮した食品や生活用品を、組合員による共同購入や宅配を通じて届けています。

しかし、生協の役割も商品を届けることだけではありません。「どのようなものを選び、どのような社会をつくっていくのか」を消費者自身が考え、生産者や地域とつながりながら暮らしをつくっていくことも、生活クラブが大切にしてきた考え方です。

無茶々園の柑橘も、こうした生活クラブをはじめとする生協との産直を通じて、長年多くの組合員のみなさんに届けられています。

 

 

地域協同組合無茶々園

 

無茶々園は、愛媛県西予市明浜町を中心に、柑橘の生産や販売を行っている生産者組織です。1970年代に農薬や化学肥料にできるだけ頼らない柑橘づくりから活動を始め、現在では農産物の生産・販売だけでなく、加工品づくり、地域福祉、人材育成、環境保全などにも取り組んでいます。

私たちが目指しているのは、単に農産物をつくり続けることだけではありません。農業を基盤にしながら、子どもから高齢者までが地域で暮らし続けられること。仕事があり、地域の環境が守られ、人と人とのつながりが残っていくこと。そんな地域を次の世代につないでいくことも、無茶々園の大切な役割だと考えています。

 

 

なぜ、農業・福祉・生協が連携するのでしょうか

一見すると、農業と福祉、生協は、それぞれ別の分野に見えるかもしれません。しかし、地域が抱えている課題を見ていくと、実際には深くつながっています。

農村では、生産者の高齢化や担い手不足が進んでいます。一方、都市部でも高齢者福祉や子育て、障がいのある方への支援、地域コミュニティの希薄化など、さまざまな課題があります。また、自然災害が発生したときには、地域や業種を越えて人や物資を支え合う仕組みも必要になります。

 

安全な食べものをつくる人。

それを選び、食べる人。

子ども、高齢者、障がいのある人など、さまざまな人の暮らしを支える人。

 

これらを別々に考えるのではなく、それぞれが持つ力をつなげていくことで、できることが増えるのではないか。今回の包括連携協定には、そんな考えがあります。

 

 

これから取り組んでいくこと

今回の協定では、今後三者で連携していく内容として、次のような項目を掲げています。

 

・教育や研究に関する知識、人材の交流

・研修や講師派遣、人事交流

・農業体験プログラムの共同企画・実施

・大規模災害が発生した際の人的・物的支援

・安全な食料の持続的な生産と供給

・外国人材の育成などに関する情報共有

・地域課題の解決に向けた共同研究や情報発信

 

たとえば、千葉で福祉に携わる人が明浜を訪れ、農業や地域づくりの現場を学ぶこと。反対に、無茶々園の関係者が千葉を訪れ、地域福祉の取り組みについて学ぶこと。農作業や収穫を通じて、農村と都市の人たちが交流すること。災害が発生した際には、日頃からつながっている組織同士だからこそできる支援も考えられます。包括連携協定というと少し堅い言葉ですが、簡単に言えば、「それぞれの得意なことを持ち寄り、一緒に地域の課題に取り組んでいこう」という約束です。

 

 

協定を結ぶこと自体が目的ではありません。これから実際に人が行き来し、経験を共有し、小さな取り組みを一つずつ形にしていくことで、この連携の意味が生まれてくるのだと思います。

 

明浜町田之浜出身の宇都宮健児さんによる記念講演

協定締結を記念して、調印式当日には、弁護士の宇都宮健児さんによる記念講演「明浜町田之浜と私 日本の社会を考える」も行われました。

 

 

宇都宮さんは、無茶々園のある西予市明浜町の田之浜出身です。講演では、幼いころに家族や地域の大人、子どもたちとともに、豊かな自然の中で過ごした経験が自身の人間形成に与えた影響について振り返りながら、人と人とが支え合う地域社会の大切さが語られました。

人口減少や高齢化、地域コミュニティの変化など、日本の各地域がさまざまな課題を抱える現在、改めて「地域でともに暮らすとはどういうことなのか」を考える機会となりました。

 

生産する地域と、暮らす地域をつないでいく

無茶々園では、長く農業を中心に地域づくりを考えてきました。けれども、農業だけで地域を維持することはできません。福祉、教育、仕事、環境、そして地域の外に暮らす人たちとのつながり。さまざまな要素が組み合わさって、初めて地域での暮らしは成り立ちます。

同じように、消費地で暮らす人たちの生活も、生産地と無関係ではありません。毎日の食卓に並ぶものが、どこで、誰によって、どのようにつくられているのか。その生産地がこれからも続いていくためには、どのような関係が必要なのか。生産する側と消費する側、支援する側とされる側といった境界を越えて、お互いにできることを持ち寄る。

今回の三者連携を、そんな新しい関係を考え、実践していく機会にしていきたいと思います。愛媛と千葉という離れた地域ではありますが、それぞれの現場を行き来しながら学び合い、地域で暮らす人たちのより良い生活につながる取り組みを、一つずつ育てていきます。

 

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