創設者 片山元治コラム
「わしらの農業」
column

真珠を主体に宝石加工・販売

2012.08.02

 宇和海は日本一の真珠の産地です。真珠等の宝石、貴金属は金持ちの贅沢品です。大なり小なり環境破壊に加担したり、南の国から、田舎から、貧乏人から収 奪した金です。この金の流れを無茶々園に向けたいのです。5年計画で地元の真珠生産者に協力してもらい加工、販売の体制を作りたいと思います。この利益で 世界の田舎のネットワークを作りたいと思います。

 無茶々園も有機農業を初めて18年が過ぎました。発足当初から、私達は、単に有機農業で蜜柑を作るだけが、目的ではありませんでした。無茶々の里でしか 味わえない田舎暮しのできる町作りが夢でした。そのためには出来るだけ環境破壊を伴わない産業の育成が必要です。私達の町は平地が殆どない、山と、海と、 段畑の地形で、都市型の産業を導入しようにも不可能な地帯です。陸の部分では最近の異常気象で100%完全無茶々園農薬有機栽培とまではいかないにして も、無茶々式有機栽培が認められ、町営の加工場で、無茶々園のジュース、マーマレード等が作られるようにまでなりました。海の部分では、チリメンジャコ (シラス)、真珠が主体です。チリメンジャコは既に取り扱いをはじめています。

 この度、真珠も取り扱ってみようということになりました。今、真珠の生産は、三重の英虞湾を抜いて宇和海がトップです。しかし、宇和海の真珠は、今から 30年程前、漁師が業者から生産技術をならい始めたもので、一次加工が難しくしかも大手業者のシークレット技術であったため、生産はしても、加工販売は大 手業者の手に委ねられておりましたが、真珠生産組合と県の工業試験場の研究で、生産から加工まで生産者(漁業者)サイドで出来るようになりました。我が 町、明浜町は単純に計算して、50年後には人口0人となる過疎の町です。そこで私達は、生産者、真珠組合、明浜町古里創世館と協力して、「真珠で村興し」 を夢見て、真珠の販売に挑戦することになりました。  

 私達は、近い将来、都市のエコロジーを理解してくれるデザイナーや、地質学者、趣味の会の人達と貴金属宝石類の生産加工販売のワーカーズコレクティブを作りたいと思っています。

 南アフリカの人種差別を見たり聞いたりすると、南アフリカに金やダイヤモンドが出なかったら、人種差別が今まで続いていたであろうか?...と思う。例 え、金やダイアモンドが出たとしても、この鉱山のオーナーが黒人ならば...。貴金属宝石類は一部金持ち世界の贅沢産業です。私達は生産、販売、消費が金 持ちの世界だけ回っているこの贅沢産業の金の流れを、田舎や南の国に流れる様にしたいのです。

 砂浜で見つけた貝殻が時として宝物のように見えるように、山を掘らなくても、近くの河原や道端に研けば宝石になる石が転がっているところは世界の田舎に はいっぱいあると思うのです。その田舎がサイドビジネスにダイアモンドを研いて売り出したとしたら世界はどうなるでしょうか?これは夢物語かも知れません。

 しかし、無茶々の里に真珠が出来る以上、我が田舎に平和な「ジパング」の世界を夢見て見たい。そしてこの夢を世界の田舎に届けたい。無茶々園のロマンに皆様の暖かいご支援をお願いします。

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