創設者 片山元治コラム
「わしらの農業」
column

テクノファシズム

2012.08.02

 わずか数ミリの電子回路を埋め込んだ半導体チップ、ハイテク時代の心臓部と言われる重要基礎物質である。それが当初の16キロビット素子では、米国が圧 倒的優位であったが、4、5年後の64キロビット素子では日本が逆転し、256キロビット素子では日本が世界の90%以上を占有してしまった。そして、1 メガビット素子では日本が独占してしまいそうな状態になったことは古い記憶ではない。

 このテクノファシズムへの危機感が、日米半導体戦争を起こし、ヨーロッパの経済感情を逆撫でしたことは周知の事実である。自動車、造船、鉄鋼など技術が 世界一になったとしてもテクノファシズムとしての脅威はあまり感じられない。それがハイテク時代になると新しい技術が僅か数年の間に世界一というより世界 経済の心臓部を独占してしまうのである。つまり、ハイテク時代の技術は、田舎人がついていける以上に、いや、人々が自由、平等、愛など、話し合ったり、考 えたりするゆとりがないほどハイぺースで流れだしたのです

 今までは、科学の発展と、それをコントロールする人間の心とのバランスが少々ずれていても地球はそれを許容することが出来た。しかしながら急激に進む科 学技術の進歩が地球の自浄能力を超え、ただひたすら利益だけを求めて進む産業構造は、人類に贅沢な暮らしと、人類滅亡の危機の両者を背中合わせにしてい る。そして、サイバネーション化が進み、機械にコントロールされ機械に遊ばされようとしているのである。

 科学の発展が人類を本当に幸せにするのだろうか・・・・??

pagetop