創設者 片山元治コラム
「わしらの農業」
column

「3」社会的経済の国際ネットワーク化へ

2012.08.02

WTOでは食料の自由貿易国家と一定の食料自給を目指す農業保護国家の間で対立しています。販売競争はすでに遺伝子 組み換えのコスト競争にはいっています。アメリカの穀物戦略とどう対峙するか。安い輸入農産物は南の国の飢餓輸出、貧乏輸出。命を育む農産物、薬食同源の 世界とどう向き合うか。市場経済の導入により家族農業、地域文化が破壊されようとしています。

 

1 世界八八ヵ所田舎連帯を目指して!!

(1)化学汚染が遺伝子レベルにまで深刻化し、日常的に起きる異常気象・鉱物エネルギーの大量消費による二酸化炭素の増大、温暖化は地域で農業を中心に人間ら しく生きる大きな妨げとなっている。この問題は、地球規模で考えなければ解決の糸口は見えない。国際農業者の事業連帯、農家の無知からの解放が歯止めの無 い都市文明に対峙できる唯一の手段。

(2)都市・田舎・国境,言葉を超えて、農家と市民が連合して事業を組み立て、世界の田舎経済が元気になるコミュニテイービジネスが必要。

(3)狂牛病がもたらした問題…安い食べ物を求めたのでは安心は買えない。結局高いものにつく。かといって外国農産物との関係は食物連鎖としてわが国農業の仕 組みに組みこまれてしまっている。→外国産農産物との棲み分けが必要→国際農業者の事業連帯が必要→国際食料安心条約の締結

(4)生産工程の開示が重要課題になった。→国境を越えたトリサビリテイ→農家間の国際交流による信頼関係の構築なくして存在しない→身土不二を原則とした生産者同士の国際間ネットワークこそ21世紀の課題

(5)自国のものを食べるという基本に他国の文化も食べるというスタンスが必要

 

2 『日本農業を守れ』から『世界の家族農業を守れ・世界の地域文化を守れ』へ!!

(1)(何故?)国際農業の連帯なのか文明文化の情報は、世界の津々浦々迄行き届いている。文明の利器に対する願望は、非常に強い。文明と文化のアンバランスな進化が人類を滅ぼす

(2)食物連鎖・異常気象連鎖・温暖化連鎖は地球規模で動くようになった。天気は地球規模で考えなければならない。

(3)集団家族農業・家内企業農業の時代が始まった。→農は命の食物を作る・人間らしさを育てる場→都市連動型の田舎再構築→相応の代価を払う農産物

(4)安い食べ物を作る→農業の企業農業化→ミドリの地球を守る思想のないビジネス農業→世界中必要ない

(5)札束で買い叩く外国農産物→その外国農産物を農家と市民のコミュニテイービジネスとして大手商社を通さず供給→環境に優しい農業への切り替え支援
⑥経済の発展と共に、世界の田舎社会の崩壊が何となく見える。まさに、世界の田舎は日本の田舎が辿ってきた道を歩もうとしている。日本の田舎再生と共に世界の田舎の再生が必要
⑦世界中の田舎に、自然に優しい農業を中心に永続的地域社会の確立が出来なければ、日本の田舎だけが生き残る事はありえないし、都市の存続もない。

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