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冬から夏にかけての無茶々園の農薬事情

2020.06.06

温州みかんから伊予柑・ポンカンへと続く収穫出荷の最盛期が終わり、3月からは次の収穫に向けた作業へ本格的に移っていきます。

 

剪定、苗木植え、圃場の整備、施肥など、この時期に適した仕事、溜まっていた仕事を一気に片付けていく時期です。春先からは、生産者が軽トラックに潅水用のタンクと動力噴霧器を積み込んで、畑に向かう姿を見かけるようになります。農薬による病害虫の防除がはじまる季節でもあるのです。

 

苗木植えの様子

 

無茶々園では一般的な柑橘栽培に比べると農薬の使用回数はかなり少なくしています。有機栽培で使用ができない化学農薬については、一般的な栽培では年間18回程度の標準指針に対し、無茶々園では0~ 3回を内部基準にしています。(大変厄介なカメムシの大発生時だけは、追加が必要になることもあります。)有機栽培でも使用可能な天然物由来の農薬については大きな制約を設けていませんが、使用回数は0回から数回程度。化学農薬を避けて一般栽培よりも積極的に活用する場合もあります。

 

春先までの防除対象になるのはカイガラムシ、カイヨウ病、ソウカ病の3つ。これから新芽が伸びて花が咲きはじめるため、その前の段階で病害虫の発生源を抑えることを目的にしています。まずはカイガラムシ類。たくさんの種類がいますが、黒いスス状の痕を残すなどの問題を引き起こします。カイガラムシ対策に用いるマシン油乳剤は明治時代から実用化されていた古典的な薬剤で、名前の通り機械油を活用したもの。虫を油で包むことで気門を塞いでしまう仕組みです。早いところは1月から、遅くとも3月までに散布を済ませるようにします。

 

続いて枝葉や果実に丸いコルク状の陥没を作るカイヨウ病。柑橘のガン(citrus cancer)と言われ世界の柑橘栽培でも最重要?の病害です。これには有効な化学農薬が存在せず、銅剤(ボルドー)くらいしか薬剤がありません。天然鉱物から作られているため有機栽培でも使える農薬です。新葉が出る前、出始めの頃、と生育のステージにあわせて希釈する倍率を調整しながら、場合によっては複数回対応します。

 

【カイヨウ病】ひどいものは果皮全体に広がる

 

最後は葉や果実にガサガサの突起を生じるソウカ病。温州みかんや南津海に出やすく、その他の品種ではそれほど影響を受けません。悩ましいのは主力品種である温州みかんで温暖化にともなって発生しやすくなっていること。前述の銅剤(ボルドー)での防除もありますが、発生が多い園地ではデランやストロビーといった化学農薬での対応になります。新芽が出て間もない4月中旬が一番の防除適期です。(南津海に使う場合には収穫が済んだ後にしています。)

 

【ソウカ病】果皮や葉に突起の斑点ができる

 

実は春先の防除までは、無茶々園と一般栽培とではあまり違いはありません。いわゆる化学農薬で対応する局面が限られるのです。これが5月以降になると内容がガラッと変わってきます。花が咲いて果実が成長するとともに昆虫や細菌類の活動が活発になり、果実を守るため、一般的には農薬を軸にして対策を行うようになるからです。

 

次回は夏の防除について。無茶々園の栽培について少しずつお伝えしていきます。

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