yaetoco

伊予柑しっとり石鹸ができるまで

2021.11.06

泡立ちのよさとうるおいを感じる使用感、そして何よりさわやかな伊予柑の香りが魅力の「伊予柑しっとり石鹸」。どんな人たちが、どのような工程で、どんな想いをもって作っているのでしょう。気になるところについて、作り手である社会福祉法人青葉仁会の杉本さんに聞いてみました。

 

お話を聞いたひと:社会福祉法人青葉仁会 杉本奈津紀さん

 

まず、基本的なところから。青葉仁会とはどんなところですか。また、石鹸づくりをはじめてどれくらいたちますか?

 

-私たち青葉仁会は、奈良県にある社会福祉法人です。「暮らす、働く、余暇」の三つの柱をテーマに、障がいのある利用者の方の支援を行っています。石鹸づくりは主たる生産活動のひとつで、約8年にわたって取り組んでいます。

3年前には化粧品製造販売業も取得しました。より品質の高い商品づくりができるよう、日々がんばっています。

 

青葉仁会さんで作られる伊予柑しっとり石鹸。

 

品質向上のために、日々努力されているのですね。頭が下がります。次に、みなさんの作っている石鹸のこだわりや特長を教えてください。

 

-保存料、凝固剤、防腐剤などの添加物はいっさい使用していません。原料として使用する油は食用にも利用される高品質なものを用いているので、素肌の潤いを保ちながらもお肌の汚れをしっかり浮き上がらせ、やさしく洗うことができます。

微生物によって分解されやすく、水に流したあとの環境負荷が少ないのも特徴ですよ。

 

基本的な部分の品質にとてもこだわってらっしゃるのですね。では、次に石鹸の作り方を教えてください。また、製造工程のなかで一番難しい(気をつかう)ポイントはどんなところでしょう。

 

-石鹸の作り方は「コールドプロセス製法」です。油脂と苛性ソーダを混ぜ合わせた際に生じる反応熱を利用します。低温でじっくり作るので、石鹸に含まれる保湿成分が損なわれにくいのが特長です。

次に製造工程ですが、まず苛性ソーダを水に溶かして水溶液を作ります。水に溶けた苛性ソーダは発熱するので温度を下げていきます。適温になったら、事前に計量していた油(オリーブ油、ヤシ油、パーム油)と混ぜて10分~15分ほど攪拌します。

 

まずは調合。

 

-攪拌し続けると溶液に”とろみ”がでてくるので、(このとろみのことを「トレース」といいます)このタイミングで精油やパールなどを追加します。よい石鹸を作るには、このトレースの見極めがとても重要。失敗するときれいな石鹸に仕上がりません。

 

攪拌。トレースの見極めがよい石鹸を作るためのポイントです。

 

-精油とパールなどがしっかり混ざったら、化学反応が起こって温度が上昇します。このままでは加工できないので、いったん保温箱にいれて2日間かけて温度をさげていきます。温度が下がったら裁断して成形を行います。かたちが整ったら乾燥室へと移し、約1ヶ月かけて乾燥、熟成させます。

製造したばかりの石鹸は強いアルカリ性ですが、乾燥していくうちpH値が整ってきます(pH値9~11)。しっかり固まったら、最後にひとつひとつ包装して出来上がりです。

 

保管箱にいれて温度を下げます。

 

温度が下がったら裁断、成型。約1ヶ月かけて乾燥、熟成させます。

 

原料納品から数えると、できるまで約2ヶ月。かなりの手間ひまがかかってますね。製造にはどのくらいの人がかかわっているのですか。

 

-ひとつひとつの工程は支援スタッフを含め2~3名、全行程では5名ほどの利用者の方が関わって丁寧に作り上げていきます。攪拌などの作業はあえて機械を使わず人の手で行っています。ひとつひとつの工程が利用者さんの仕事になり、それが社会と繋がるきっかけになると考えるからです。手作りならではの優しい石鹸づくりを心掛けています。

 

石鹸を作ってくれている利用者のみなさん。これからもお願いします!

 

最後の質問です。これまで様々な石鹸を作られてきたと思いますが、yaetocoの伊予柑しっとり石鹸はここがよい!という点があれば教えてください。

 

-「伊予柑しっとり石鹸」は、何より香りの良さが一番の特長だと思います。この自然な伊予柑の香りは、原料である蒸留水や精油がしっかりしているからですね。

 

柑橘産地としては、そう言ってもらえるととてもうれしいです。たくさん作ってもらえるように、販売もがんばりますね。本日はありがとうございました。

 

pagetop