トン君(左)と森下さん
森下孝、52才。26年前に前職を辞めて新しい事をやりたくてみかんづくりに憧れて無茶々園に来ました。
初めて明浜に来て青い海と複雑に入り組んだ入江の風景が印象的でした。しかし海に面した急傾斜地にみかんの木が立っているのを見て自分に農業が出来るか不安になりました。
農業の知識も経験もない不安な中、研修センター(新規就農希望者の受け入れ拠点として整備した寮)で生活をはじめました。ちょうどその頃、農業に興味を持つ同世代の若者たちも集まり、共に働くことになりました。彼らの一生懸命な姿を見ているうちに、不安は徐々に薄れていきました。
その頃、地元のみかん農家の宇都宮利治さんに出会い、彼の所で研修をすることになりました。5年後、早生みかん35aと伊予柑54aとポンカン14aとデコポン10aの合計113aを借りて、独立しました。
現在は農地を200aに拡大し、ベトナム人実習生のトン君(28歳)と一緒に仕事をしています。トン君も一人で日本に来て不安だらけだと思いますが、頑張って仕事をしてくれています。
トン君との出会いは3年前のことです。初めて会ったとき、彼がとても綺麗な日本語で自己紹介をしたので、その日本語力の高さに驚きました。しかしいざ仕事をすると全然日本語が伝わらず身振り手振りとスマホの通訳で伝え、「分かった?」と聞くと「分かった!分かった!」と言うので安心して任せていたら全然違う事をしていたので、びっくり!以後は一緒に作業をする事にしました。
無茶々園にはベトナム人実習生が7~8人いますが彼らはお互いの誕生日を祝うのを大切にしていて頻繫に飲み会を開いていてさらに私の誕生日まで祝ってくれました。猪が手に入った時は、上手に解体し焼き肉をご馳走になりました。そうこうしているうちに3年経ち、トン君は日本語も仕事も出来るようになり一人でも安心して任せられる様になったので、あと数年仕事を続けてもらいたかったのですが、本人が別の仕事に変わりたいとの希望があり、次の実習生のチャン君に来てもらう事になりました。トン君が辞めるまでの間、チャン君に仕事の引継ぎをしてくれているので助かり、頼もしく思います。チャン君は18才と若く好青年で今後一緒に仕事をするのが楽しみです。トン君は新しい仕事でも頑張って欲しいと思います。3年間ありがとう。
トン君は無茶々園の福祉施設「百笑一輝」で働きます。
これからもよろしくお願いします。
トン君の後輩実習生、チャン君(左)