ベトナム

ベトナムで生きる、働く(第8回)

2021.04.21

こんにちは、ベトナムのFarmers Union Venture(ファーマーズユニオン・ベンチャー)の髙埜太之です。「ベトナムの仕事と暮らし」をテーマに、私がここで行っている活動や暮らしている上で見たり感じたりしたエピソードをお伝えしております。今回は私が家で日常で食べている食事を紹介したいと思います。(7回目はこちらから)

 

私が日常で食べている料理は、一般的なベトナムの料理と言うよりは、中部高原地方の特有の料理です。反面、外食で食べるものは皆さんが一般的に知っているベトナム料理と言えます。どちらにせよ、ベトナムの一般的な料理は濃い目の味付けで、白飯が進むようなおかずが多いです。

 

これはツムギアリ。アリの一種です。昆虫食もベトナムならではです。

 

白いご飯が進む味付け

海が遠い高原地帯であることから、昔からここで生活する人々は通常のベトナム料理の味付けに多く使われる「ヌックマム(魚醤)」やニンニクはあまり使いません。味付けに使用するのは、塩とこの地域で採れる香の植物の組合せで作った調味料です。

 

・塩(Muối)

・トウガラシ(Ớt)

・野蒜(ノビル)(Củ nén)

・レモングラス(Củ sả)

・生姜(Gừng)

・ウコン(Nghệ)

・ガジュツ(Củ riềng)

・胡椒(Tiêu)

・レモンの葉(Lá chanh)

など

 

トウガラシと野蒜(ノビル)の根はほとんどの料理に使います。

 

地域で捕れる肉や魚などの動物性タンパク質をつかったおかず

上記の調味料で味付けした肉や魚、動物性のものをおかずにしてご飯を食べます。伝統的な料理では、いかにして地域で捕れる動物性のタンパク質を、美味しく摂るかが工夫されており、日本の山梨県や長野県のような地域に似ている部分があります。高原でありながら水源地でもある為、川魚やエビなどはイメージよりもかなり豊富です。

 

・肉(鶏、アヒル、豚、カエル、犬など)

・魚(イワシ、川魚、川エビなど)

・昆虫(ツムギアリ、コオロギ、蝶の蛹など)

 

アヒルのカレー。アヒルは鶏よりも安く、脂も多いので美味しいカレーになる為、白飯にもブン(米麵)にもよく合います。

 

ツムギアリと川魚のスープ。雨季の手前になるとツムギアリの巣が多くなります。ベトナムだけでなく、カンボジアやタイでもツムギアリは多く食用とされています。ツムギアリの蟻酸が魚の風味と非常にマッチして美味しいです。

 

豚皮と豚ホルモン。肉の部分と比べて安いので、様々な味付けをして食べます。

 

コーヒー畑や胡椒畑に自生する伝統的な山菜や野菜などを使った料理

ベトナム中部高原の伝統料理では、食べられる木の葉や野草を料理に使います。生食ではアクが強すぎて食べられないも、様々な方法で調理して食べられるようにします。

 

・ニガナス(Cà đắng)

・キャッサバの葉(Lá mì)

・サトイモの葉(Lá khoai môn)

・森の野菜(Rau rừng)

 

ニガナスの煮付けは非常に多く食べます。キャッサバの葉は、よく湯がいて毒抜きをし炒めます。すると青のり様な風味となり、日本人にとって非常に馴染みやすい味となり、ご飯が進みます。

 

ジャックフルーツのビーフン。ジャックフルーツの未熟果は野菜として食べます。ジャックフルーツは果実の中でも非常にタンパク質が豊富です。

 

飲み物やつまみなど

 

卵黄ビールは、とれたてのたまごの黄身をビールに入れて混ぜたものです。まろやかな甘みが美味しいです。

 

キュウリのたたき。トウガラシの量は多いですが、これは日本とまったく同じですね。

 

さて、いかがだったでしょうか。私はあまり外食しませんが、次回は外食でのベトナム料理を紹介できればと思います。

(つづく)

ベトナムで生きる、働く(第9回)

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