産物紹介

2022年の切り干し大根、切り干し人参

2022.02.17

しっかりした甘味と、天日干しならではの旨みが魅力の「切り干し大根」。その食味の良さが評価され、いまではすっかり無茶々園の看板商品のひとつです。取り組みをはじめてもうすぐ20年。スライスした大根を網に広げる風景も冬の風物詩になりました。

そして、もうひとつの天日干し野菜といえば「切り干し人参」。こちらも製造をはじめてもうすぐ10年になります。ときがたつのは本当に早いものです。味の濃いてんぽ印の人参が天日の力でさらによりよい風味に。鮮烈な紅は食卓に彩りを添えてくれます。大根には及ばないものの、乾燥野菜のなかでも安定した人気を誇る商品です。

さて、そんな切り干し大根と切り干し人参。今期の出来はどうでしょうか。てんぽ印代表の村上尚樹に聞いてみました。

 

1月から2月にかけて、狩浜地区の海辺にはスライスされた大根と人参が広がります。

すっかりおなじみの景色になりました。

 

畑に種を撒くところから工場でパックに詰めるところまで、すべて自分たちの手で行うところがてんぽ印の乾燥野菜の一番の特長です。そのため、作り手である私たちはいつも天候の動きに戦々恐々しています。毎年すべてがうまくいくことはありませんし、一喜一憂してもしょうがないことですが、やはり天候不順が続くと心が陰鬱になります。

今期の大根は秋の高温と日照りで播種時期が遅れ、生育にばらつきが生じました。その影響もあって不作とまでいきませんが、例年よりはちょっと少なめです。一方で人参は大豊作。大根とは逆に天候に恵まれたことが大きいですが、土づくりを地道に続けている成果もでてきているのでしょう。自分たちが手をかけた畑や農産物が結果を出してくれるのは、何度経験してもうれしいことです。

 

収穫した有機大根。種を撒き、水をやり、肥料を与え、収穫し、加工してパック詰めまで。

最初から最後まですべて自分たちの手で行うのがてんぽ印流。

 

収穫した大根と人参は、畑のある北条農場から2時間30分かけて明浜まで運び、スライスした後に潮風と天日で乾燥させていきます。ここがてんぽ印の切り干し大根、人参のもっとも大きな特徴です。たくさんの農産物を載せて、長い距離をトラックで走るのは正直しんどいところですが、この製法でしか出せない旨み・風味があるのでやめることはできません。

今年も大根を50~60トン、人参は5トンほどを干し上げる予定です。そして、この天日干しの工程も天候との闘いになります。1月は好天続きで順調に作業が進んだものの、2月にはいると大気が乱れよく時雨れます。さっきまで晴れてたはずが、いきなり雨ということも。そうなると広げていた野菜を急遽片付けに走ったり、作業の段取りを変えたりと右往左往。体力的にもしんどいですが、それ以上に気疲れしてしまいます・・・

 

大根を干す石原さん。北海道から来てくれました。本業はコンブ漁師。とてもほがらか。

 

何はともあれ12月~2月にかけてのてんぽ印は、とにかく人手がいる季節。いつも猫の手も借りたい心境です。毎年手伝いにきてくれるてんぽ印のOG、OBたちには本当に救われています。それに加えて今年は北海道は礼文島からコンブ漁師も助っ人に来てくれました。ありがたいことです。

乾燥野菜のお手伝いは何も難しくありません。素直な心と笑顔さえあれば、誰でも参加できる仕事です。そして、様々な人たちとの交流はてんぽ印のスタッフたちの成長の糧にもなります。余談にはなりますが、この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ手伝いにきてみてください。

 

てんぽ印のOGタッキー。毎年毎年旦那さんと一緒に手伝いにきてくれます。ありがたや!

 

農業の醍醐味は、自分たちの行動や心がけが成果としてあらわれること。肉体的にしんどいこともありますが、それ以上に心が満たされるよい仕事です。私たちが心をこめて作った切り干し大根と切り干し人参。アイデア次第で様々に使えます。まだ食べたことのない方はぜひ食べてみてください。そして、すでに愛用されている方はこれからもっと食べていただけるとうれしいです。みなさんが消費してくれるからこそ、私たちの事業・運動は続いていきます。まだまだ道なかば。これからもともに歩んでいただけると幸いです。

 

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