ベトナム

ベトナムで生きる、働く(第12回) ~ドライフルーツのはなし~

2022.12.02

こんにちは、Farmers Union Venture(ファーマーズユニオンベンチャー)の髙埜太之です。今回はこれから取り組みを考えているドライフルーツについてのお話。ぜひご一読ください。

(11回目はこちらから)

 

ダクラク省のトロピカルフルーツフルーツ(熱帯果樹)とは

私たちが暮らすベトナム中部高原のダクラク省は、雨季・乾季からなる熱帯地域でありながら、600~800mと標高が高く涼しいという珍しい気候条件をもった地域です。このためコーヒーやコショウの大産地として有名ですが、実は他の多くのトロピカルフルーツの優良産地であり、それらの栽培の北限でもあります。

特にファーマーズユニオンベンチャーの周辺は「果物の魔王、ドリアン」の名産地として近年有名になり、今年から「ドリアンフェスティバル」が開催され、ベトナム各地から多くの人で賑っています。ドリアンの他にも、なんと果物の王様と呼ばれるマンゴー、世界三大美果のひとつであり果物の女王と呼ばれるマンゴスチン、その他の三大美果のパイナップル・チェリモヤと、ダクラク省には美味しいトロピカルフルーツのすべてが集中している、世界的にみても稀有な地域なのです。

 

トロピカルフルーツといえば、パイプナップル。

 

標高が高く日射が強いため、日中の気温が30℃を超えることも珍しくありませんが、日が沈むと途端に冷え込み、寒い時期にはなんと15℃近くまで下がります。この様な高原の昼夜の寒暖差が、美味しい果樹を育てている理由であるとも言われています。

 

苗を植えたばかりのパイプナップル畑。

 

ドライフルーツへのチャレンジ

トロピカルフルーツの多くは収穫適期が短く、また熟し始めると果肉がとても柔らかくなるものが多いのが特徴です。このため抜群に美味しいにも関わらず、現状の東南アジアのインフラでは流通させることは簡単ではありません。なので、地元生産者の楽しみとして消費されることが多いです。しかし完熟したトロピカルフルーツの美味しさは抜群で、日本のスーパーで売られているものとは全く異なる風味があります。

私たちは目の前にあるこれらのトロピカルフルーツの風味を、どうしたら美味しく遠くまで届けることができるのか…。まずはやはりドライフルーツでチャレンジしてみたいと考えました。また、私たちの乾燥設備は小さいため、逆に本当に完熟した美味しい状態の果実のみを、少しずつ原料として受け入れて乾燥させることができます。

 

ただいま乾燥中!

 

とりあえず私たちは、様々な種類のフルーツがある中で、私が暮らす少数民族の森の中で、ある程度既に栽培されており、またドライフルーツに向いているものを10数種類ピックアップしてサンプルの試作を行いました。その結果、ジャックフルーツ、ランブータン、ロンガン、バナナ…などなど。どれもかなり美味しく出来上がりました。今回はその中でも日本の人に人気がありそうなのはパイナップルとピタヤ(ドラゴンフルーツ)に的を絞りました。

 

FUVスタッフの高埜とベトナムの生産者。

 

早速、村の仲間たちと協力して本格的に商品開発するため、改めて森にパイナップルやピタヤの作付けを行っています。パイナップルは既に森の中で自生に近い状態で収穫できるクイーン種、そして大玉で糖度の高いMD2種を作付けしました。ピタヤに関しては無農薬でも病害虫に強いホワイトピタヤを作付けしています。収穫はおそらく10カ月~1年後を予想しています。どうぞ皆さんお楽しみにしていてくださいませ!

(つづく)

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